Amazon Kindle本を発売中。
2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

墓じまい(お墓の引っ越し)プロジェクトの記録(2)

墓 近況報告
記事内に広告が含まれています。

2022年 ~合葬式墓地の見学と、祖母のこと~

合葬式墓地の見学、そして、市役所へ。

初めて合葬式墓地に足を運んだのは、8月半ば。それまでも車で近くを何度も通っていたのに、全く存在に気付きませんでした。

高槻市合葬式墓地

モニュメントが佇む墓地内は、清掃が行き届き、整然としていました。
お盆の季節が終わった平日だったので、とても静か。高台なので眺めもよく、何だか気持ちが落ち着きました。

ここだ、ここしかない。ここなら私も安心だし、両親たちも納得してくれると思いました。

その後、市役所内の公園墓地担当窓口に立ち寄り、合葬式墓地についての詳細を確認しました。
抱いていた疑問点は、ほぼ解消できましたが、私が一番気になっていたのは、祖母(父の実母)のことでした。

納骨されてるけど、されていないことになっている祖母。

公園墓地内の墓所に納骨する時は、あらかじめ市の担当部署に届け出て、名前や埋葬日などを、「公園墓地墓所使用許可証」に裏書きしてもらう必要があります。

両親がお墓を建立したのは、1972年(昭和47年)。
建立したお墓に納骨されているのは、父・母・祖母の3人です。

しかし、祖母の名前は、使用許可証に記載がありません。
書類上では、祖母は納骨されていないことになっているのです。

父は、手続きとか決まりとかに無頓着だったので、祖母の納骨の段取りを進めたのは、間違いなく母だと思います。
しかし母も、手続き書類などを読むのが嫌いな人。墓所への納骨時に手続きが必要だということに、全く気付いていなかったんじゃないかな、と想像します。

両親の納骨手続きをしたのは、私です。
もちろん、許可証に祖母の名前が記載されていないことには気付いていましたが、特に問題視していなかったのです。

でも、お骨を移動させるとなれば、話は別です。
合葬式墓地へ納骨するためには、必ず亡くなった人の個人名での申込みが必要だからです。

祖母の名前をどうするか。

祖母を合葬式墓地に納骨する、という体裁を整えるためには、「埋火葬許可証交付済証明書」などを取得し、繁雑な手続きをして、「公園墓地墓所使用許可証」に祖母の名前を記載してもらわなければなりません。

窓口の職員のひとりが、祖母が亡くなった当時の記録が残されているノートを引っ張り出してくれたおかげで、祖母が死亡時に高槻市民で、間違いなく高槻市で火葬されている事実が判明しました。
墓所使用許可証に祖母の名前を記載するために一番重要となる、「埋火葬許可証交付済証明書」の入手は可能であるということです。

ですが・・・。

祖母が亡くなったのは、1981年(昭和56年)。
亡くなって40年以上経過した人の名前を、そこまで手間暇かけて記載する必要があるかどうか。

両親だけの納骨なら、そのような手続きは不要です。
3人納骨する形にすると、費用がさらに増えます。

窓口の職員さんも、ダンナも、その必要性に首をかしげています。
至極もっともな意見だけど、祖母の名前を出さなくても、本当によいのだろうか。

墓じまいプロジェクト、再び停滞し、そのまま越年。

コメント

タイトルとURLをコピーしました