Amazon Kindle本を発売中。
2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

渡辺裕之さん、猛を演じてくれてありがとう。

供花 びっくり
記事内に広告が含まれています。

1986年と2002年は、「愛の嵐」の年。

1986年6月、ドラマ「愛の嵐」の放映がスタート。
平日昼間、3ヶ月にわたって毎日放送されました。

ちなみに、このドラマのヒットがきっかけで、後に「華の嵐」「夏の嵐」が生まれ、3本まとめて「嵐3部作」と呼ばれていました。
特に「華の嵐」は大ヒットし、「ごきげんよう」という流行語まで生まれました。

3作品とも素晴らしいのですが、私は特に「愛の嵐」が気に入り、いつしかどっぷりはまりました。
後の再放送時に全話をビデオ録画し、何度も見返したものです。

初放映から16年経った2002年、自分のホームページのコンテンツのひとつとして、「愛の嵐」考察を、何の気なしに書き始めました。

ドラマを視聴した人にしか理解できないであろう、かなりマニアックな目線なので、誰かの反応を期待していたわけではありません。
ただただ、自分のハマったドラマのことを好きに書けるのが楽しくて、定期的に更新を続けていました。

その更新のさなか、「愛の嵐」のリメイク版「新・愛の嵐」放映がスタートするという、偶然にしてはできすぎているほどの奇跡が勃発。

しかし、放映開始後しばらくすると、私がホームページに設置していた掲示板に、旧・愛の嵐ファンが怒りの形相で、怒濤のごとく押し寄せてくるようになったのです。
旧作の世界を愛している人たちにとって、リメイク版の内容は、耐えがたいものだったのですよ。

私が書いた「愛の嵐」考察への感想も寄せられ、ファンの方同士の交流も生まれ、掲示板は約半年ほど、愛の嵐ファンの方たちのサロン状態となりました。
楽しかったなあ。

2002年当時で、初放映から20年近く経過している昼ドラの話に食いついてくる人が、こんなにたくさんいらっしゃることに、本当にびっくり。
インターネットってすげー!って思いましたよ。

掲示板が日々盛り上がっている中、「愛の嵐」を全話収録したDVD発売が決定するという、さらなる奇跡が勃発!
長年待ち望んでいたので、そのニュースを知った時には、文字通り、狂喜乱舞しました。

愛の嵐
我が家のリビングに鎮座するDVDたち。背後に隠れていますが、全巻揃っています。

「愛の嵐」ファンの私にとって、1986年は出会いの年、2002年は奇跡の年でした。

猛を演じて下さって、本当にありがとう。

嵐3部作の全てに主演されたのが、渡辺裕之さん。特に「愛の嵐」は、当時まだ無名だった渡辺さんの出世作のひとつでもあります。
ドラマでは、「川端猛」という役名だったので、私は渡辺さんのことを「猛」と呼んでいます。

ちなみに、「新・愛の嵐」にも、別の役柄で出演されています。

「愛の嵐」以来、渡辺さんは動向がとても気になる俳優さんのひとりでした。
渡辺さんの知名度がどんどん上がっていくのは、とてもうれしかった。ドラマ・映画・CMで見かけるたびに、「猛、頑張ってるなあ、いい作品に出演されているな」と喜んでいました。

奥様との交際も、最初からとてもオープンなもので、マスコミの取材にも気さくに答えておられた記憶があります。
結婚された時も、本当にうれしかったですし、おしどり夫婦ぶりが時折報道されるたびに、幸せな気持ちを抱いてました。

2022年5月5日、突然発表された訃報。

「なんで?」と何回言ったことか。
あまりに何度も「なんで?」と私がつぶやくので、ダンナから「知らんがな」とツッコミが入ったほど。

今でも心のザワザワは治まりませんし、「なんで?」という思いは拭えませんが、それはきっと誰にもわからないこと。

何か急ぎの用事ができたのでしょう。
でも、そんなに急がなくても良かったのにな。

渡辺さん、「愛の嵐」に出演し、全身全霊で猛を演じて下さって、本当にありがとうございました。

ドラマで妻の秀子役を演じられた芦川よしみさんと、長年交流を続けられていたこと、そして何より、「愛の嵐」をはじめとした嵐三部作の記憶を、長い間心に留め置いて下さったこと、エピソードを語って下さったこと、ドラマファンとして本当にうれしかったです。

愛の嵐
サンデー毎日 2015年10月18日号より

「愛の嵐」のおかげで、ネット上でお友達もできたし、バズり体験もできました。
インターネットの楽しさも知ることができました。

ドラマの印象が強く心に残り、数十年経った今でも「猛」と呼ぶ、私のような存在は、役者「渡辺裕之」には、もしかしたら迷惑だったかもしれませんね。
ごめんなさい。

でも、最終回のラストシーンで見せた、猛とひかるの笑顔が、私は大好きなんです。
ふたりでフランスに行った後、白部村でワインを作っていたのかなって、想像するのが楽しいのです。

渡辺さん以外の猛は、考えられません。
渡辺さんが猛を演じて下さって、本当によかった。

「愛の嵐」を含め、渡辺さんが残された数々の作品を、今後も楽しませて頂きます。
長い間、本当にお疲れ様でした。
どうぞ、安らかに。

ご迷惑かもしれませんが、これからも、渡辺裕之さんのことを「猛」って呼ばせていただきますね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました