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2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

ミロの思い出

ミロ 雑記
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生まれて初めて、ミロを買いました。

SNSでバズったため、スーパーでは品薄状態が続いていたようですが、現在は元通りの品揃えに。
先日、特売で目立つ場所に置かれているのが目に入り、つい手に取り、そのままレジへ。

ミロには、忘れられない思い出があります。

30年ほど前のこと。
当時20代半ばだった私が転職した会社には、経理担当の癖の強いお局様(当時30代後半)がいらっしゃいました。
噂話とかゴシップネタ、誕生日やバレンタインデーなどのイベント、すらっと背の高い男前が大好物。

思考回路とか行動パターンが、まるで女子中高生のよう。
一回り近く年下の私から見ても、幼稚すぎると感じる行動も、たびたびありました。

そのお局様は、様々な習わしやイベントを、他の女子社員に強制参加させるような形で持ち込んだのですが、そのうちのひとつが、昼食後にミロを飲む習慣。
当然私も、入社当日から強制参加です。

当時、「強い子のミロ♪」というテレビCMがよく流れていたので、商品名だけは知っていたのですが、私はそれまで飲んだことがありませんでした。
初めて口にしたミロは、ココアとはまた違う味わいで、新鮮さを感じたことを覚えてます。

でも、毎日だと、やっぱり飽きる。
みんなは飽きないのかな、飲みたくない時もあるんじゃないかなと、心の中で思っていました。

ある日、朝から少し胃腸の調子がすぐれなかったので、勇気を出して、「今日はミロ、やめておきます」と伝えたら、お局様が発狂。

「ねえ、なんで? どうしたの? なんで飲まへんの? ねえ、ねえ、なんで?」

事情を伝えても、まあしつこい。

そうか、こういうしつこい攻撃がめんどくさいから、みんなは何も言わず、黙って飲んでいるんだ。

そもそもこのお局様、バレンタインデーに社内の男性たちに送った義理チョコのお返しがホワイトデーに届かなかったら、「あの人はお返しをくれなかった」と、社内でずーっと言い続けるような人だったから。

現に、その後も、ミロを飲まなかったことを、折に触れて言われました。
たった1回飲まなかっただけなのに。

自分が持ち込んだ習わしに、一瞬でも従わなかった人は、私が初めてだったんでしょうね、たぶん。

その会社には2年ほど在籍し、別の会社に転職しました。
もうミロを飲まなくていい、やったー!って心境になったことを覚えてます。

ミロは決して悪くないのに。

30年ぶりに飲んで、「こんな味だったけな?」と思うほど、遠い昔の思い出です。

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