私が結婚する前に両親は他界しているので、ダンナも義両親も、私の両親と面識がありません。
いつだったか、お義母さんから、「お母さんは何が好物やったん?」と聞かれたことがありました。
やんちゃで、お酒が好きで、トラブルが多かった父については、ダンナや義両親に話す機会がちょくちょくあり、特にお酒が出る席では、父のことが話題に上がることもしばしばです。父の好物も、すぐに答えられます。
でも、突然、「母の好物」を聞かれた時、私は答えられなかった。
適当にぼやかしましたが、実は今でも思い出せません。まるっきり思い出せないのです。
父が病で倒れてからの10年、母と2人で暮らしました。
母が病に倒れ、1年後に亡くなるまで、毎日病院に通いました。
濃密な10年間だったはずなのに、大小様々なことがあったはずなのに。
亡くなって30年以上経過したことも原因だとは思いますが、母の好物すら思い出せないというのは、なんだかなあと呆然とします。
はっきり記憶に残るのが、母が繰り出す、ちょっとネガティブな態度や言葉というのも、悲しい。
方法論は別として、あんなに愛してもらったのに。
父のことはあれこれ記録し、ブログにまとめ、最終的に書籍化までしました。
2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。
でも母のことに関しては、ふと思い出した出来事をブログに書くくらい。
父との扱いの差がひどすぎるわ(苦笑)。
今更ではありますが、薄れゆく記憶をかき集めて、母とのことも記録してまとめておこうかな、と思っています。
心の片隅を少しえぐられるような思い出もあるのですが、私自身の癒しになるような気がするから。
母の好物を思い出せる、かも、しれないし。



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