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2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

数十年ぶりのコクゾウムシ降臨。

コクゾウムシ 近況報告
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発生源はどこだ。

8月に入った頃だったでしょうか。
体長数ミリの黒い虫の存在に、最初に気付いたのは、私です。

トイレの床をヨタヨタ歩いているのを、指でつまんで捕獲。
だけど、逃げようともしないし、指と指でちょっと押さえるだけで絶命してしまう、なんとも儚い虫です。

ちっちゃい虫だし、私達に危害を加えるわけでもない。
たまたまどこかからひょっこり入ってきたのだろうと、最初は気にも留めませんでした。

しかし、少しずつですが、確実に数が増えていきます。
当初はトイレで見かけることが多かったのですが、そのうち家中の床で目にするようになりました。

「なんで最近、こんなに虫がいるんだろう」と、私が毎日つぶやいたからか、ダンナも虫の存在を認識。
常に下を向いて歩くようになった夫婦。

正体を知る為、Googleレンズで検索したのですが、私が撮影した虫の写真の出来が良くないからか、いろいろな虫が候補に挙がってきて、特定できません。

そうこうしているうちに、私だけで、1日に10匹以上捕獲するようになりました。
こんなに室内で虫を見るなんて、明らかに変です。

そして、今度はダンナがGoogleレンズで調査。

「これ、コクゾウムシやで。たぶん」

コクゾウムシ。
私が最後に見たのは、もう数十年前のことです。

お米にわく虫、コクゾウムシはどこからくる?発生の原因と対処法。|その他|害虫なるほど知恵袋
お米にわく虫、コクゾウムシはどこからくる?発生の原因と対処法についてご紹介します。身近な害虫に関する情報メディア「害虫なるほど知恵袋」!

まだ私の両親が存命だった頃、我が家ではハイザーにお米を保管してました。
しかし、このハイザー内によく発生したのが、コクゾウムシ。虫たちに食べられてしまった、おいしくないお米を食べる機会が、昔はよくあったのです。

ハイザー処分後は、冷蔵庫で保管するようになったため、コクゾウムシを目にすることはなくなりました。

数十年の時を経て、再び降臨したコクゾウムシ。
発生源は、どこだ。

大量発生現場、特定。

ダンナの両親の故郷では、米作りをしています。
毎年新米の季節になると、両親宅には、30キロ入りの玄米入り米袋が入ったダンボール箱が数箱届きます。
私達夫婦は、届いた玄米を1箱持ち帰り、なくなったらまた1箱持ち帰る、という風にしてます。

精米は10キロ単位で行い、ペットボトルに入れて冷蔵庫に保管、残りの玄米は、玄関の空きスペースで保管しています。
風通しはいまいちですが、たぶん家中で一番温度が安定している場所だからです。

玄米は複数の親戚から届きますが、足りない分は、別途入手しなければなりません。
現在保管中なのは、ふるさと納税の返礼品として頂いた玄米。
10キロは冷蔵庫に保管しているので、玄関に置いているのは20キロ。

念のため確認しましたが、パスタなどの穀物系の食品には、虫は付着していません。

「やっぱり、米か・・・な・・・」

8月も後半にさしかかったある日、ダンナは意を決して、ダンボール箱から米袋を取り出し、袋の口を開けました。
二人で中をのぞき込み、絶句。

しばらく、「うわあ・・・」という声しか出ませんでした。

中には、袋の出口に向かってよじ登ってくるチャレンジャーたちもいます。
箱の外に出た虫たちは、あちこちさまよい、仲間たちの元に戻れなくなり、我々の目に留まって処分される、という運命を辿っていたのだと思われます。

表面だけでこれだけの虫がいるのだから、中には相当数繁殖していて、米の中は食い尽くされてボロボロでしょう。
ベランダで玄米を天日干しし、虫を追い出すという手もありますが、私達はマンション住まい。隣近所に虫が移動し、ご迷惑がかかる可能性もある。

「捨てるしかないか・・・」

食べ物を捨てることが大嫌いなダンナ、本当に辛そうな表情をしていました。

ちょうど翌日が、ゴミ回収日。
20キロを一度に集積場まで運搬するのは大変だし、収集員の方にもご迷惑なので、3枚くらい重ねたゴミ袋に、10キロずつ米を入れ、袋と袋の間には新聞紙をはさみ、袋の中には殺虫剤を噴霧し、虫が這い出てこないよう、しっかり縛りました。

私達がむせるほどの量の殺虫剤を噴霧したのに、できあがった2つの袋からは、虫たちが動く「カサカサ」っていう音が、ずっと聞こえてました。

翌日くらいまでは、残党を見かけましたが、それ以後は消え失せ、コクゾウムシ騒動は一件落着。

それにしても、今までこんなことはなかったのに、なぜ今年に限って、コクゾウムシが大量発生したのか。
原因について夫婦で話し合いましたが、やはり今年の猛暑の影響ではないかと。

玄関付近の温度は、リビングなどに比べると低いですが、それでも例年よりは高い。
さらに、お米を保管してるスペースには、人感センサーで点灯する足下照明があります。数分で自動消灯するものの、この照明が、卵のふ化をアシストしたのかもしれません。

玄米には、既にコクゾウムシの卵が産み付けられていたのでしょう。
繁殖に適した温度にならなければ、卵はふ化しません。だけど今年は、コクゾウムシのふ化・繁殖にとってはいい感じの温度になってしまい、大量繁殖してしまったということだと思います。

白米へのコクゾウムシの繁殖は何度も見たことがあったのですが、玄米にも繁殖するっていうのは、初めて知ったなあ。

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