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2004年から2009年まで更新していたブログ「今週のすぎやん」の内容を抜粋・修正し、ブログには書ききれなかった作者の思いや後日談なども新たに書き下ろしたエッセイ。

苦い思い出。

マルチ商法 雑記
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20代の頃だったと思います。
小学校の同級生で、とても仲良くしてくれていた女性から、突然電話がかかってきました。
交流が途絶えて久しかったので、私のことを思い出してくれたこと、連絡をくれたことが、純粋にうれしかった。
話が弾み、是非会おうということになり、後日彼女の家に伺いました。

仲良く遊んでいた子供の頃にも、伺ったことのある家。
彼女もとても元気そうで、懐かしさも相まって、楽しい時間を過ごしていました。

しかし。

途中から彼女は、あるメーカーの商品のことを、口にし始めました。
具体的な言葉はもう忘れてしまいましたが、そのメーカーの商品がいかに良い物か、力説してきます。
ついには、彼女のお母さんによる援護射撃が入ります。

そして、「感想を教えてね~」的な言葉と共に、シャンプーとリンス(だったと思う)をサンプルとして渡されました。

30年以上前のことですので、会話の詳細はもうすっかり忘れてしまいました。
だから、何らかの話の流れで、自分の使っている物をすすめてきただけかもしれない。
強引な勧誘はなかったはずなので、元々そんな話をするつもりはなかったのかもしれない。

でも、帰宅後、何だかとてもガックリしたこと、大きな違和感を持ったことが、今でも忘れられないのです。

私は、懐かしい友と旧交を温めたい、状況が許せば、また仲良く交流したいと思った。
でも彼女は、たぶん、そうではなかった、ような気がした。

その後、持ち帰ったサンプルを使うことはありませんでした。
私の留守中に、彼女から何度か電話がありましたが、かけ直すこともしませんでした。
彼女からの電話を受けた母は、サンプルを返すようにと、私に何度も言いましたが、放置しました。

彼女と会いたくなかった。これ以上関わりをもちたくなかった。

今なら、もっと大人の立ち回りをしているでしょうが、まだ20代の私は、彼女との関係を断ち切ることしか思いつかなかった。
それが良かったのか悪かったのか、わからないけれど。

この会社の名前を見聞きするたびに記憶によみがえる、苦い思い出です。

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