20代の頃だったと思います。
小学校の同級生で、とても仲良くしてくれていた女性から、突然電話がかかってきました。
交流が途絶えて久しかったので、私のことを思い出してくれたこと、連絡をくれたことが、純粋にうれしかった。
話が弾み、是非会おうということになり、後日彼女の家に伺いました。
仲良く遊んでいた子供の頃にも、伺ったことのある家。
彼女もとても元気そうで、懐かしさも相まって、楽しい時間を過ごしていました。
しかし。
途中から彼女は、あるメーカーの商品のことを、口にし始めました。
具体的な言葉はもう忘れてしまいましたが、そのメーカーの商品がいかに良い物か、力説してきます。
ついには、彼女のお母さんによる援護射撃が入ります。
そして、「感想を教えてね~」的な言葉と共に、シャンプーとリンス(だったと思う)をサンプルとして渡されました。
30年以上前のことですので、会話の詳細はもうすっかり忘れてしまいました。
だから、何らかの話の流れで、自分の使っている物をすすめてきただけかもしれない。
強引な勧誘はなかったはずなので、元々そんな話をするつもりはなかったのかもしれない。
でも、帰宅後、何だかとてもガックリしたこと、大きな違和感を持ったことが、今でも忘れられないのです。
私は、懐かしい友と旧交を温めたい、状況が許せば、また仲良く交流したいと思った。
でも彼女は、たぶん、そうではなかった、ような気がした。
その後、持ち帰ったサンプルを使うことはありませんでした。
私の留守中に、彼女から何度か電話がありましたが、かけ直すこともしませんでした。
彼女からの電話を受けた母は、サンプルを返すようにと、私に何度も言いましたが、放置しました。
彼女と会いたくなかった。これ以上関わりをもちたくなかった。
今なら、もっと大人の立ち回りをしているでしょうが、まだ20代の私は、彼女との関係を断ち切ることしか思いつかなかった。
それが良かったのか悪かったのか、わからないけれど。
この会社の名前を見聞きするたびに記憶によみがえる、苦い思い出です。
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